Plate Solvingは便利

2021/02/14

Plate Solving

 電子観望をするようになって驚いたのが,Plate Solvingの凄さです.原理的にできるのはわかっていましたが,自分が気軽に使えるようになっているとは知りませんでした.世の中便利になってるな~.


Plate Solvingは,自分が撮影した星空の画像と予め用意してある画像カタログを一致させて,どこを撮影したかを求めてくれる技術です.今はコンピュータで処理しますが,昔は写真乾板(photographic plate)を使って人間が一致させていたのでこの名前で呼ばれています.現在ではAstrometric Solvingなどの呼称の方が正しいですが,広くPlate Solvingと呼ばれています.


Astrometry.netに画像をアップロードするとPlate Solvingをやってくれます.試しに,下の画像をアップロードしてみます.


アップロード後,数十秒待つと,Successと出るので,results pageに行きます.すると,写っている恒星やDSO(deep-sky object)や赤道座標(RA, Dec)を教えてくれます.


さらに,便利なのが,Pixel scale(単位はarcsec/pixel)も教えてくれることです.これを使うことで,自分の望遠鏡の焦点距離を求めることができます.レデューサーレンズやバローレンズなどを使うと正確な焦点距離がわからなくなるので,これはとても助かります.

自動で計算してくれるツールもありますが,ここでは計算式を求めて実際に計算してみます.ピクセルサイズをs,焦点距離をf,ピクセルに対応する天球上の角度(上のPixel scale)をθとすると,次のような関係があります.

変形して,
となります.私の望遠鏡SV503(焦点距離560mm)に0.5xのレデューサーを使った場合,s=3.75μm,θ=2.58arcsecで,f=299.8mmとなりました.単純に0.5xになってないことがわかります.

Plate Solvingのソフトウェアをダウンロードしてローカルで計算することもできます.これについては次回書きます.