人工衛星追跡ソフトを試してみる

2021/03/14

人工衛星

 ISSを眼視で観測したり,CCTVレンズで撮影したりしながら,そのうち望遠鏡で人工衛星を捕らえたいと思っていたのですが,Skywatcherのサイトを見ていたら,Satellite Trackerというアプリがあるではないですか.そこで,これをインストールしてみました.結論を先に書くと,うまくいかなかったです.試した内容を書いておきます.


試したのは,Satellite Tacker Application Version 0.18です.テスト目的の準備的なバージョンと書いてあります.ダウンロードすると,まず,そこに含まれるPreviSat 4.1.0.1 をインストールしろあります.これが,目的の衛星が観測地を通るときの軌道を予測してCSVファイルに書き出してくれます.項目は,

  • Time(UTCG),Range (km), RA (deg),  DEC (deg)

です.どうやら現在から一番近い時刻の軌道が選ばれるようで,選択の自由度は少ないです.


次にSatellite Tracker v0.18.0 を立ち上げて軌道のCSVファイルを読み込んで,SynScan Proにデータを転送します.SynScan Proが,衛星の通過時刻になったら,軌道を追跡してくれる仕組みのようです.私が試したところ,テータ転送が終了して,スタート位置まで望遠鏡を移動させるところまでは動いたのですが,スタート時刻になっても追跡を開始してくれませんでした.試したSynScan Proのバージョンは 1.19.12 および 1.19.0,AZ-GTiのモーターボードのバージョンは 3.26.A5 です.

データ受信中のSynScan Pro

Satellite Tracker

また,PreviSatのCSV出力にも問題がありました.なぜかハッブル宇宙望遠鏡の軌道が見えないことになっていたり,軌道データ中に明らかにおかしなデータ(時刻が突然00:00:00になる)が入っていたりしました.


まだテスト段階のアプリケーションですので不完全なのは仕方ないですが,SynScan Pro内で軌道を追跡してくれるというのは公開されていない機能ですので,第三者がいじることはできません.早期の完成を期待しています.しかし,それを待っていられないので,公開されている機能を使って人工衛星追跡ソフトを自分でも作り始めました.それについては,回を改めて書きます.