製作途中人工衛星追跡プログラムのテスト

2021/03/19

AZ-GTi 人工衛星

 AZ-GTiで人工衛星を自動追跡するプログラムを作っています.まだ途中ですが,テストでそこそこ成功したので,記録を残しておきます.


前にSkywatcher製の人工衛星追跡プログラムのテスト版を試してうまくいきませんでした.そこで,使えるものがないかネット上を探したのですが目的通りのものはありませんでした.人工衛星観測のために軌道を教えてくれるものはいろいろあります.前にも触れたPrevisatなどです.この手のプログラムの情報は,CelesTrakのページにまとまっています.また,WEBサイトの人工衛星ナビゲータも非常にありがたいです.ですが,望遠鏡などで人工衛星を追跡するためのソフトは少なく,あっても連続的な追跡ではなくて撮影には向いていません.例えばSkyTrackというのがあるのですが,追跡方法は leap frog tracking (馬跳び追跡)と呼ばれるもので,動いては止まりの繰り返しです.これは,ASCOMの制限のためだそうです.探した範囲では,連続追跡できるものはありませんでした.


一方で,SkywatcherのサイトのApplication Developmentを見ると,コマンドを送ってSynScanを操作できるとあります.特に,速度制御もできるようなことが書いてあります.そこで,これに期待してプログラムを作り始めました.そこそこ完成してきたので,実際の衛星でテストしてみました.


追跡してみたのはSeasat 1です.露出時間0.5秒で撮影した画像を繋げてビデオにしてあります.再生は15倍速です.本来は望遠鏡で追跡したいので,ビデオの後半では望遠鏡(SV503+レデューサー)の画角で切り出した映像になっています.

人工衛星(Seasat 1)の追跡, 2021/03/18 19:31-19:36, 4-12mmCCTVズームレンズ(12mm)+ASI385MC,AZ-GTi,Gain 450, 露出 0.5s, 場所:自宅ベランダ


途中まではうまく追跡していますが,最後の方で失敗しています.失敗の原因もほぼ検討がついていて,多分,現在のSynScan,または,AZ-GTiそのものの仕様の限界です.これを克服することはプログラムの工夫ではできませんが,綺麗に追跡を終わらせるなどの対応をしたいと思います.

追跡中の画像を抜き出したものがこちらです.人工衛星が点像になっているのに対し,周囲の星が流れているのがわかります.これなら,もっと拡大したり,長時間露光をしたりもできそうです.

このテストで,望遠鏡でもそこそこ追跡できそうなのがわかりました.プログラムを作る中でいろいろわかったことがあるので,そのうち時間があったら(忘れないうちに)書こうと思います.